二人分のダンボールを抱えて、寮の階段を上がっていた。急に重さが増して、脚を止めた。 後ろにいたゆかりが驚いて声を上げる。 「ごめんねー」 声が頭の上を通り過ぎて、振り返った時にはもうゆかりしかいなかった。 少ない荷物を片付けて、部屋のテレビの配線をいじっていたら、知ってる声がした。 「アンタが同居人?」 さっき通り過ぎた声の主が、玄関にいた。
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2009/09/05
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