14 破綻

エロって描くよね? ってある人と同意して、その場にいた子を引かせたことがある。
なんかね、書きたくなるものなんですよ。裸を描きたくなるのと一緒で。鬱積しているわけじゃないんです。欲求不満なわけでもない。
でもね、描きたくなるわけです。
なんでだろうな、は今はどうでもいいんです。

突然、きづいたんです。
なんかね「いや」なんです。
全編通して、自分の描く(書く)エロってね、「嫌」なんです。
「いやよいやよも好きのうち」の「いや」でもあるし、全面的な否定の時もある。
女性というのは抱かれるようにできてます。それはもう、メスというイキモノに生まれちゃったらどうしようもない事実です。
描いているときの根底にはそれが絶対にあるのに、でも、感情のどこかに否定がなくちゃいやなんです。

一時的な満足のためのうそをつくのは簡単なんです。多分。
そんなだましあいでも、体は気持ちいいんです、きっと。
肉欲はすべて健全だと思ってるんですが、その定義の中でもおいらは不健全なようです。
望まれて満たしてやる人ではないようです。満たされたい側のイキモノなんです。
それは女性としての受け入れる性を満喫したいのではなく、何かしらの征服欲につながるもの。
男性としての性を持つわけではなく、メスとしての満足を求めるわけでもない。
精神の奥の方でニヤリとするような、そういう満足を求めている。
だから、どう考えてもそういうものを描こうとしている自分が「健全」だとは思えない。

エロはカタルシスだと誰かが書いていたのを見たことがあります。
完全に壊しちゃったら痛いだけで何も残らないので、肯定できませんでした。
それでもあぁなるほどなぁと納得していたのは事実です。
オイラにとってそれが「エロ」である以上、健全であってはいけない。
どこかに破綻した自分がいなくては、エロという創作は成立しない。
そういうものなのだと、さっき突然、気がついたんです。

(2008/04/10)

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